白内障は50代以上の中高年の方に多い目の病気です。白内障になると物が白く見えたり目がかすむなどの症状が現れ始めます。
今回は白内障の症状や原因についてご説明します。
目次
■白内障とは
◎水晶体が白く濁る病気
白内障とは、目の水晶体が白く濁る病気です。
目の水晶体はカメラのレンズに当たる器官です。外から入ってくる光を水晶体が集め、ピントを合わせる働きをしています。
通常、水晶体は透明です。しかし、加齢などの原因により水晶体が白く濁る(=白内障)と外からの光を透しづらくなってしまい、物が見えにくくなります。
■白内障の症状
◎物が白く見える、目がかすむなどの症状が現れ始めます
白内障になると、以下のような症状が現れ始めます。
・物が白く見える
・目がかすむ
・視力が低下する、見えにくい
・光をまぶしく感じる、明るいところで見えにくい
・視界が暗くなる
・物の輪郭が二重三重になって見える
■白内障の原因
◎加齢
白内障の原因でもっとも多いのは加齢です。白内障の約90%が加齢によるものとされています。加齢が原因の白内障を加齢性白内障と呼び、ほかの原因によって起きる白内障(後述)と区別しています。
{白内障を発症しやすい年齢}
白内障は50代で40~50%、60代で70~80%、70代で80~90%、と発症割合が増えていき、80歳以上になるとほぼ100%の方が白内障を発症します。なお、早い方は40代で加齢性白内障を発症するケースもあり、発症年齢には個人差があります。
◎糖尿病やアトピー性皮膚炎、外傷、紫外線、ステロイドなどが原因で白内障を発症することも
白内障の約90%が加齢による加齢性白内障です。ただし、加齢以外の以下のような原因でも白内障を発症することがあります。
・糖尿病
・アトピー性皮膚炎
・外傷(目の怪我)
・紫外線
・ステロイド
また、非常に稀ですが、遺伝などの生まれつきの原因によって赤ちゃんに発症する先天性白内障や、妊娠中のお母さんが風しん(三日はしか)にかかることにより胎内感染した赤ちゃんが発症する感染性白内障もあります。
■白内障の症状の進行スピード
◎加齢性白内障はゆっくりと症状が進行します
加齢により発症する加齢性白内障はゆっくりと症状が進行します。
何年もかけてゆっくりと目が見えにくくなるため、最初は白内障であることに気づかないケースが多いです。病気に気づかずに放置し、眼科での受診が遅れてしまう場合もあります。
◎若年性白内障は急激に症状が進行するケースも
糖尿病やアトピー性皮膚炎、外傷など、加齢以外の原因によって30代以下の方に発症する白内障を「若年性白内障」と呼び、加齢性白内障と区別しています。
なお、40代以上でも糖尿病や外傷など、加齢以外の原因によって白内障を発症することがあります。
{糖尿病、外傷、ステロイドが原因の若年性白内障は注意が必要}
加齢性白内障はゆっくりと症状が進行します。しかし、加齢以外の原因による以下の若年性白内障は症状が急激に進行することがあるため、注意が必要です。
・糖尿病性白内障
・外傷性白内障
・ステロイド性白内障
上記のうち、糖尿性白内障と加齢性白内障を併発した場合、高血糖の影響で症状(物の見えにくさ)が急激に進行することがあります。「加齢性だから、あわてなくても大丈夫」と油断せず、糖尿病の方の白内障は特に注意しなければなりません。
【物の見え方に異常を感じたときは当院までご相談ください】
白内障の症状が進行して物が見えにくくなり、生活や仕事に支障が出ている場合は濁った水晶体を人工の眼内レンズに変える白内障手術を受けることで見え方の改善を期待できます。
軽度の白内障であれば、点眼薬で病気の進行を遅らせることも可能です。
(白内障手術や点眼薬による治療については次回のブログで詳しくご説明します。)
物が白く見える、目がかすむなど、物の見え方に異常を感じたときは当院までご相談ください。