眼精疲労(がんせいひろう)とは、目の使い過ぎ・目の異常が原因で目や身体に疲労がたまった状態を指します。
近年はスマホ・パソコンの普及にともない、画面を見続けることによる眼精疲労が急増しています。合わない眼鏡・コンタクトレンズが原因で眼精疲労が起きるケースも。
今回は「眼精疲労の症状・原因・治療方法・予防の仕方」についてご紹介します。
■眼精疲労の症状
眼精疲労が起きると目の症状のほか、肩こりや頭痛など、身体にもさまざまな症状が出ることがあります。
十分に休みや睡眠を取っても以下のような症状がなかなか改善されない場合は、眼精疲労の可能性があります(※)。
(※)白内障や緑内障など、目の病気によって以下の症状が起きることがあります。
<目の症状>
・物が見えにくい
・目がかすむ
・目が充血する
・目が痛い
・まぶしさを感じる
<身体の症状>
・肩こり
・頭痛
・吐き気
■眼精疲労の原因
スマホ・パソコンを長時間見続けるなど、眼精疲労の多くは目の使い過ぎ(目を疲れさせる環境)が原因です。目の使い過ぎのほか、遠視やドライアイなどの目の異常、精神的ストレス、目の病気・全身の病気によって眼精疲労が起きる場合もあります。
①目の使い過ぎ(目を疲れさせる環境)
・長時間、スマホ・パソコンなどの画面を見続ける
・照明のちらつき
・エアコンの風が目にあたることによる目の乾燥(ドライアイではない単なる目の乾燥)
・紫外線
・化学物質(家の建材によるシックハウス症候群など)
・騒音
・不快な臭い
②目の異常
・眼鏡・コンタクトレンズが合わず、遠心・乱視・近視・老眼が適切に矯正されていない
・ドライアイ(単なる目の乾燥ではなく、涙の分泌が減って常に目が乾き物が見えにくい状態)
③精神的ストレス
精神的ストレスにより、眼精疲労が起きることがあります。
④目の病気・全身の病気
<目の病気>
・緑内障
・白内障
<全身の病気>
・高血圧
・低血圧
・脳神経疾患
・糖尿病
・自律神経失調症
・月経異常
(※)上記以外の病気により眼精疲労が起きることがあります。
■眼精疲労の治療方法・予防の仕方(セルフケアの方法)
眼精疲労はさまざまな原因で起こります。眼精疲労を治すためには原因を突き止め、原因に合った治療・セルフケアを行うことが大切です。
①眼科や医療機関での受診をおすすめする場合
以下に当てはまる場合は、眼科・医科での受診をおすすめします。
・目の疲れや目のかすみ、肩こり、頭痛などの症状がなかなか治らない
・眼鏡・コンタクトをつけていると疲れる
眼科・医科では目や身体の症状を確認し、状態に合った治療を進めていきます。
②セルフケアで対応できる可能性がある場合(予防の仕方)
目の使い過ぎや単なる目の乾燥による眼精疲労はセルフケアで症状を緩和できる可能性があります。日頃からセルフケアを行うことで眼精疲労の予防にもつながります。
<セルフケアの方法>
目を休める
・スマホ・パソコンを見ない時間を多めに取る
・生活環境や作業環境を見直し、目を疲れさせないための空間づくりをする(暗すぎる・まぶしすぎる、臭いがする、騒音がするなどの環境は目を疲れさせる原因になることがあります)
目に良い栄養素を摂る
・ビタミンB・E・Aなど、目の働きを助ける栄養素を積極的に摂る
目の周りの筋肉のマッサージをする
・マッサージをして目の周りの筋肉をほぐす
目の乾燥を防ぐ
・意識してまばたきの回数を増やし、目全体に涙を行き渡らせる
・エアコンの風に直接あたらないようにする
・目が乾燥する場合はコンタクトレンズをやめ、眼鏡にする
目の血行を良くする
・蒸しタオルで目を温め、血行を良くする
できるだけストレスを減らす
・定期的に適度な運動を行う
・休息を多めに取る
・睡眠時間を長めに取る
・小さなことは気にしない
【目の疲れや目のかすみが抜けないときはご相談ください】
眼精疲労は目の使い過ぎや目を疲れさせる環境が原因で起きることが多いです。ただし、緑内障や白内障、脳神経疾患などの病気が原因のケースもあるため、「単なる疲れ目だから」と自己判断で眼精疲労を放置するのはよくありません。
目の疲れや目のかすみ、原因不明の肩こり・頭痛が抜けないときは当院までご相談ください。診察では目の状態を確認して検査を行い、眼精疲労の原因が目にあるのか、もしくは、目以外の身体の病気やストレスが原因なのかを見極め、眼科医の見解をお伝えします。
診査の結果、眼精疲労の原因が目にある場合は患者様のご同意を得た上で目の治療・目のケアを進めていきます。