硝子体注射(しょうしたいちゅうしゃ)とは、血管縮小作用がある抗VEGF物質を目に直接注射する治療法です。抗VEGFの作用により、目の中に生じる異常な血管を縮小させ、硝子体内(目の中)での血液の漏れ出しを抑えることで硝子体出血を防ぎます。
硝子体出血は視力の低下や視野の欠けなどの視力の障害をひき起こすと共に、失明につながる大きな原因の一つです。糖尿病網膜症など、硝子体出血をともなう目の疾患をお持ちの方は定期的に硝子体注射を受けることで視力障害、および、失明を予防する効果を高められます。
今回は、目の視力障害や失明を防ぐために行う硝子体注射の効果・持続期間についてご説明します。
目次
■硝子体注射の対象となる目の疾患
以下のような目の疾患をお持ちの場合、目の障害や失明を防ぐために硝子体注射を行うことがあります。
・糖尿病網膜症
・加齢黄斑変性
・網膜静脈閉塞症(網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症)
・強度近視による脈絡膜新生血管
硝子体注射の概容・治療内容・施術の流れについては当院HPにて詳しくご説明しております。ブログと併せてご参照ください。
■硝子体注射の効果
◎新生血管(異常な血管)を縮小させ、毛細血管からの血液の漏れ出しを防ぎます
硝子体注射で目の中に注入するのは抗VEGFという物質です。抗VEGFは目の中で新生血管を作る因子であるVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑制する作用を持っています。
硝子体注射には、VEGFを抑制する作用を持つ抗VEGFを目の中に直接注射することで目の中に生じた新生血管(異常な血管)を縮小させ、毛細血管からの血液の漏れ出しを防ぐ効果があります。
<抗VEGFで用いられる薬剤の種類>
・ルセンティス
・アイリーア
■硝子体注射の持続期間
◎硝子体注射の持続期間は平均で1~3ヶ月程度
硝子体注射は1回打って目が治ることはあまりなく、注射の効果は一時的です。薬剤の効果は平均で1~3ヶ月程度となります。効果が一時的なため、1~3ヶ月ごと(または2~4ヶ月ごと)に1回の頻度で定期的に硝子体注射を行い、新生血管の増殖、および、毛細血管からの血液の漏れ出しを防ぎます。
{硝子体注射の導入期について}
治療を開始したばかりの導入期では月1回の頻度で注射を3~4回行います。導入期の後は目の状態を見ながら、患者様に合わせて1~3ヶ月ごと(または2~4ヶ月ごと)に1回の頻度で定期的に硝子体注射を続けていきます。
【糖尿病や網膜の病気をお持ちの方は眼科での早めの受診・治療をおすすめします】
目に注射をする、と聞くと恐怖心を抱いてしまう患者様もいらっしゃいますが、点眼麻酔をするため注射時の痛みはほぼありません。ご安心ください。施術はごく短時間で終わります。
硝子体注射は網膜の病気に対して効果的な治療法です。現在、目の網膜の病気を持つ方を対象に、世界中の眼科で硝子体注射が行われています。
硝子体注射の効果の持続期間は1~3ヶ月程度と一時的ではありますが、根気強く注射を続けることで新生血管の増殖、および、毛細血管からの血液の漏れ出しを抑えられます。定期的・継続的な硝子体注射により、目の症状の改善が見込めるケースもあります(※)。
(※)一例です。原則として、硝子体注射の効果は一時的であり、
目の症状の根本的改善を保証するものではありません。
視力障害・失明を防ぎ、大切な目を守るためにも、糖尿病や網膜の病気をお持ちの方は早めに眼科で受診し、治療を受けることをおすすめします。