「病的飛蚊症」に隠された目の病気とは?|町田市の眼科|町田胃腸病院眼科

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「病的飛蚊症」に隠された目の病気とは?


前回のブログでは、生まれつき(遺伝など)や加齢によって起きる生理的飛蚊症のお話をさせていただきました。


生理的飛蚊症は生理的な原因によって起きる飛蚊症であり、基本的に治療の必要はないことがほとんどです。


一方、飛蚊症には、目の病気が原因の「病的飛蚊症」も存在します。


病的飛蚊症は目の病気が原因のため、放置していると病気が悪化して目の健康に悪影響をおよぼす可能性があります。最悪の場合は、失明に至るケースも。


今回は、「病的飛蚊症」をひき起こすことがある目の病気について、ご説明します。


■病的飛蚊症をひき起こすことがある目の病気


◎網膜裂孔・網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎などが原因で病的飛蚊症をひき起こすことがあります

以下のような目の病気が原因となり、病的飛蚊症をひき起こすことがあります。


[病的飛蚊症をひき起こすことがある目の病気]


①網膜裂孔・網膜剥離

②硝子体出血

③ぶどう膜炎

④目の感染症


上記の目の病気のほか、強度の近視(軸性近視)が原因で病的飛蚊症を発症するケースも。


⑤強度の近視(軸性近視)


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次の項からは、上記の目の病気(and 強度の近視(軸性近視))になると、どのような症状が現れやすいかを、それぞれ、解説していきます。


①網膜裂孔・網膜剥離


◎目の網膜に穴が開いたり、網膜がはがれる目の病気です

網膜裂孔(もうまくれっこう)・網膜剥離とは、目の網膜(フィルム)に穴が開いたり、網膜がはがれる目の病気です。


目の網膜に穴が開く網膜裂孔では、穴の部分からの網膜色素上皮細胞(目の壁の細胞)が断裂・収縮したり、硝子体出血が起きることで、飛蚊症の見え方になることがあります。


網膜剥離とは、目の網膜が眼底からはがれる目の病気です。網膜裂孔が進行して網膜剥離になるケースも少なくありません。


網膜剥離では、網膜が眼底からはがれ、はがれた部分の網膜色素上皮細胞が眼球の中をただよい、飛蚊症の見え方になることがあります。


≪網膜裂孔・網膜剥離の主な症状≫


・存在しない蚊や黒い点・黒いモヤが見える(飛蚊症)

・視野の一部が欠ける

・物がゆがんで見える


②硝子体出血


◎目を満たす液体の硝子体の中で出血を起こす目の病気です

硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)とは、目を満たすゼリー状の液体である硝子体の中で出血を起こす目の病気です。


硝子体出血では、網膜血管の断裂などにより眼底出血が起き、血液が硝子体の中に入り込むことで、飛蚊症の見え方になることがあります。糖尿病網膜症など、糖尿病による新生血管が破れることで、硝子体出血が起きるケースも少なくありません。


硝子体出血は、失明に至るケースが多い、非常に危険な状態です。硝子体出血が起きた場合、および、硝子体出血が起こり得ることが予測される場合は、眼科にて迅速・適切な処置・治療を受けなければなりません。


≪硝子体出血の主な症状≫


・存在しない蚊や黒い点・黒いモヤが見える(飛蚊症)

・赤いカーテンがかかったように見える

・突然、目の前が真っ暗になる(失明)


③ぶどう膜炎


◎ぶどう膜が炎症を起こす目の病気です

ぶどう膜炎とは、目の中のぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜で構成される膜状の組織)が炎症を起こす目の病気です。


ぶどう膜炎では、ぶどう膜の炎症により、網膜やほかの目の組織に炎症が広がることで、飛蚊症の見え方になることがあります。


≪ぶどう膜炎の主な症状≫


・存在しない蚊や黒い点・黒いモヤが見える(飛蚊症)

・視力の低下

・目が赤い

・目が痛む

・まぶしさを感じる

・物がゆがんで見える


④目の感染症


◎目の怪我や目の手術後の細菌感染により、病的飛蚊症が起きることがあります

ケースとしては多くはないのですが、以下のような原因により、目に細菌が感染し、病的飛蚊症が起きることがあります。


[目の細菌感染からの病的飛蚊症を起こすことがある原因]


・目の怪我(眼球に物が刺さったなど)

・白内障・緑内障などの目の手術後の細菌感染


目の感染症は失明に至るケースもあるため、注意が必要です。目を怪我したときや目の手術後、下記のような症状が起きている場合は、一刻も早く眼科で受診する必要があります。


≪目の感染症の主な症状≫


・存在しない蚊や黒い点・黒いモヤが見える(飛蚊症)

・物がかすんで見える

・目が痛む


⑤強度の近視(軸性近視)


◎強度の近視により、病的飛蚊症が起きることがあります

強度の近視の方は、目の眼軸長(がんじくちょう:目の前から後ろまでの長さ)が通常よりも長いケースが多いです。


眼軸長が長いと、網膜(フィルム)の手前でピントが合ってしまい、近視になることがあります。この状態を「軸性近視」と呼びます。近視のほとんどは、軸性近視です。


強度の軸性近視があると、眼軸長が長い分、目の中を満たすゼリー状の液体である硝子体に空洞(硝子体剥離)ができやすいです。硝子体に空洞ができた場合、空洞の縁に目の中の線維組織が集まってしまい、飛蚊症の見え方になることがあります。


{軸性近視が原因の飛蚊症は治療が不要なケースが多いです}


軸性近視による硝子体の空洞(眼軸長の長さによる硝子体剥離)が原因の飛蚊症は、加齢による生理的飛蚊症(離水による硝子体剥離)と同様に、治療が不要なケースが多いです。


≪近視(軸性近視)の主な症状≫


・少し離れた物や遠くの物はよく見えないが、近くの物(目から10~30cmの距離:強度~軽度の近視)は比較的よく見える

・存在しない蚊や黒い点・黒いモヤが見える(飛蚊症)


【目の病気の症状がある方、見え方に異常・違和感がある方はご相談ください】


放置しても問題が起きにくい生理的飛蚊症と異なり、目の病気が原因の病的飛蚊症は、原則として、眼科での治療が必要です(※)。


(※)強度の軸性近視を除きます。


眼科での検査により、目の状態を確認することで、飛蚊症の悪化、および、その他の目の病気の発症・進行を抑えやすくなります。


今回、お伝えした目の病気の症状に当てはまった方、見え方に異常・違和感がある方は、当院までご相談ください。



町田胃腸病院
眼科医師
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