近年は、スマホの普及により、「スマホ老眼」になる方が増えています。
「スマホ老眼?何それ?」
不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
スマホ老眼とは、どんな症状?通常の老眼との違いは?
今回は、20代・30代の方でも一時的に老眼になることがある「スマホ老眼」について、概要・原因・症状(チェックリスト)をご説明します。
目次
■スマホ老眼とは
◎スマホの見過ぎにより、目の毛様体筋が凝り固まって一時的に物が見えにくくなる症状です
スマホ老眼とは、スマホの見過ぎにより、目の毛様体筋が凝り固まって一時的に物が見えにくくなる(物にピントを合わせにくくなる)症状です。
老眼、という名前がついていますが、20代・30代の若い方でも、スマホの見過ぎによってスマホ老眼になる可能性があります。
◎スマホ老眼になる理由
目は、レンズの役割を果たす水晶体を通して、目の奥にある網膜に光の像を結ぶことで物を見ています。
水晶体の上下には毛様体筋という筋肉があり、毛様体筋が水晶体を縮ませたり伸ばしたりすることで、近くや遠くの物を見ているのです。
近くの物を見るときは、上下の毛様体筋がぎゅっと収縮して水晶体を厚くします。
遠くの物を見るときは、上下の毛様体筋がゆるんで水晶体を薄くします。
多くの方は、顔の目の前(20cm以内)など、近い距離でスマホを見ますよね。この「長時間、近い距離でスマホを見続ける」が目の毛様体筋を凝り固まらせやすいのです。
長時間、近い距離でスマホを見続けていると、毛様体筋は常にぎゅっと収縮する形になり、対象物に上手くピントが合わせられず、一時的に物が見えにくくなります。これが、スマホ老眼になる理由です。
[スマホ老眼のメカニズム]
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長時間、近い距離でスマホを見続けた結果、毛様体筋が凝り固まる
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毛様体筋が凝り固まり、水晶体の厚みをスムーズに変えられなくなる
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水晶体の厚みをスムーズに変えられないため、対象物に上手くピントが合わせられず、一時的に物が見えにくくなる
◎スマホ老眼と通常の老眼(加齢による老眼)の違い
スマホ老眼は目の毛様体筋が凝り固まることで、水晶体の厚みをスムーズに変えにくくなる、一時的な症状です。
一時的な症状のため、多くの場合、スマホ老眼は一晩寝れば、次の日には普通に見えるようになります。
一方、通常の老眼は、加齢によって水晶体の水分が減り、水晶体そのものが硬くなることで水晶体の厚みをスムーズに変えにくくなる症状です。
通常の老眼は水晶体そのものが硬くなるため、原則として、老眼の見えにくさ(小さな文字が見えにくくなる、手元の物が見えにくくなる)が根本的に治ることはありません(老眼鏡で見え方を改善することは可能です)。
■こんな症状の方は、スマホ老眼の可能性があります
□スマホの小さい文字が見えにくいことがある
□スマホを見た後、目を離すと周りの物や遠くの物がぼやけて見えることがある
□夕方になると、物が見えにくいことがある
□常に、目が疲れている感覚がある
【スマホ老眼の方は、角膜の傷に注意が必要です】
スマホ老眼は一時的な症状であり、通常、一晩寝れば、次の日には普通に見えるようになります。ただし、普通に見えるようになっても、多くの方は、また、長時間スマホを見続けてしまうため、スマホ老眼は常態化しやすいです。
常態化にともない、スマホ老眼の方は、目を開き続けることにより、角膜が傷ついているケースが少なくありません。角膜が傷つくと、角膜炎をはじめとして、目の病気・視覚障害が起きやすくなるため、注意が必要です。
「一時的な症状だから」とスマホ老眼を放置していると、角膜の傷から、思わぬ目の病気に進行することも。
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今回は、スマホ老眼の概容・原因・症状のご説明をさせていただきました。
次回のブログでは、スマホ老眼の予防方法・ケアの仕方をご紹介します。