スマホ・PCの画面などから発せられる青い光、ブルーライト。
前回のブログでは、ブルーライトが目におよぼす可能性がある悪影響のお話をさせていただきました。
目への悪影響に加え、寝る前にスマホ・PCなどを見続けてブルーライトを浴びると体内時計が乱れ、眠れなくなることも。
今回は、「寝る前のブルーライトが体内時計のリズムを乱すことがある理由」、および、ブルーライトの影響を減らす対策方法をご紹介します。
目次
■寝る前のブルーライトが体内時計のリズムを乱すことがある理由
寝る前などにスマホ・PCの画面を見続けていると、ブルーライトが原因で体内時計のリズムが乱れ、眠れなくなることがあります。
ブルーライトのせいで眠れなくなることがあるのは、主に、以下のような理由によるものです。
①ブルーライトによって脳が刺激され、メラトニンの分泌が抑制される
ブルーライトが目の中に入ると、目の視細胞が光を感知します。光を感知した視細胞は脳の視床下部というところにある視交叉上核(しこうさじょうかく)に情報を伝えます。視交叉上核は、体内時計を管理する中枢器官の一つです。
ブルーライトの光は、脳にとっては刺激です。
刺激を受けた脳は「刺激を受けたよ!」という情報を、脳の松果体(しょうかたい)というところに伝えます。
松果体は、睡眠をうながす作用を持つホルモンの「メラトニン」を分泌する器官です。ブルーライトによって松果体が刺激を受けると、松果体からのメラトニンの分泌が抑制されやすくなります。
上記のメカニズムにより、メラトニンの分泌が抑制された結果、体内時計のリズムが乱れ、眠れなくなる… これが、寝る前のブルーライトが体内時計のリズムを乱すことがある理由と考えられています(※)。
(※)研究などに基づく、現時点での推測です。
②脳が昼間だと勘違いする
スマホ・PCのほか、太陽光、蛍光灯の光、テレビの光、LED照明の光にもブルーライトが含まれています。
太陽光にもブルーライトが含まれているため、スマホ・PCの画面から発せられるブルーライトを近い距離で目に浴び続けていると、脳が昼間だと勘違いしやすくなるのです。
上記のメカニズムにより、夜、寝る前にスマホ・PCを見ていると、脳が昼間だと勘違いして、夜、眠れなくなることがあります。
③交感神経が刺激され、自律神経が乱れることがある
呼吸、体温、排尿・排便などの身体の機能を調節する、自律神経。自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っています。
交感神経は、主に活動モードのときに働く神経です。一方、副交感神経は主にリラックスモードのときに働きやすくなり、睡眠をうながす作用があります。
スマホ・PCの画面から発せられるブルーライトを目に浴び続けていると、交感神経が刺激され、自律神経が乱れやすくなります。
交感神経が刺激され、自律神経が乱れた結果、脳が活動モードになってしまい、眠れなくなることも。
■ブルーライトによる睡眠への悪影響を抑えるには?
[ブルーライトによる睡眠への悪影響を抑えるための、8つのポイント]
-
寝る1時間前くらいから、スマホ・PCの画面はなるべく見ないようにする
-
夜はスマホ・PCの画面を見過ぎないようにする(仕事などで日中に寝る方は、昼間はスマホ・PCの画面を見過ぎないようにする)
-
スマホ・PCの画面を見るときは、ブルーライトカットの眼鏡をかける
-
スマホ・PCの画面にブルーライトカットのシートを貼る
-
夜(日中、寝る方は昼)はスマホ・PCの画面の輝度を落とす、または、一日を通じてスマホ・PCの画面の輝度を落とす
-
(機能がついている場合)スマホ・PCの画面のブルーライト低減モードをONにする
-
寝る1時間前くらいから、寝室の照明を控えめにする(可能であれば、寝る1時間前くらいから、家の中全体の照明を控えめにするのがベスト)
-
寝る前は、コンビニなどの照明が強めの場所に行かないようにする
{テレビの見過ぎにも注意が必要}
通常、テレビは1m以上離れて見ることが多いです。画面まで20~40cm程度の距離で見る傾向があるスマホ・PCと比べると、テレビのブルーライトによる目や体内時計への影響は多少、軽減されます。
ただし、影響が少ないからと言って、寝る前にテレビを見続けていると眠れなくなることも。スマホ・PCに加え、テレビの見過ぎにも注意が必要です。
【スマホ・PCと上手に付き合い、ブルーライトによる目や体内時計への悪影響を減らしましょう】
スマホ・PCは便利なアイテムですが、スマホ・PCを見過ぎて目や体内時計へ悪影響がおよぶのは、あまり良くありません。
目が疲れる、夜、眠れないことがある、などの症状が見られる方は、今回ご紹介した対策方法を実践することをおすすめします。
スマホ・PCと上手に付き合い、ブルーライトによる目や体内時計への悪影響を減らしましょう。