人や物・景色を見るために欠かせない、大切な目。
個人差はありますが、40歳前後を境に中高年になると、老眼をはじめとする「見えにくさ」が現れてくることが多いです。
中高年になると現れやすくなる、見えにくさ。
加齢や目の病気によって生じる見えにくさを、「アイフレイル」と呼びます。
今回は、「アイフレイルとは」&「アイフレイルの症状」「眼科での検査」について、お話しします。
目次
■アイフレイルとは?
◎加齢に伴う目の機能の低下・目の病気により、見えにくくなった状態を指します
アイフレイルとは、
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加齢に伴い、目の機能が低下する(目の機能が衰える)
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目の病気(加齢or加齢以外が原因の目の病気)
により、対象物(人や物)・景色などが見えにくくなった状態を指します。
[アイフレイルの定義]
①健康な状態
(年齢が若く、目の機能が健全な状態)
②アイフレイル(①と③の中間の状態)
(加齢・目の病気が原因で、目の機能が低下した状態)
③重度の目の機能の低下・重度の目の障害
(日常生活に必要な視力を維持できなくなり、要介護の状態)
■アイフレイルが起きる理由(加齢に伴う目の機能の低下、および、目の病気について)
◎加齢・目の病気により、40歳前後以上の中高年の方は目の機能が低下しやすくなります
どなたにも起こる、目の機能の低下「アイフレイル」。
アイフレイルを起こす原因としては、主に以下のような因子が挙げられます。
〇加齢
個人差はありますが、40歳前後を境に中高年の方は目の機能が低下しやすくなります。
40歳前後を境に現れ始める「老眼」は、加齢による目の機能の低下の代表的な症状です。
[加齢に伴い、目の機能が低下する理由]
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目の水分量が減り、目の水晶体が硬くなって目のピント機能が低下する(老眼)
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目の筋肉・腱が硬くなり、目のピント機能が低下する
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紫外線からのダメージにより、目の機能が低下する
〇目の病気
加齢による目の機能の低下に加え、以下のような目の病気が原因でアイフレイルが起きる場合もあります。
[アイフレイルの原因になる代表的な目の病気]
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白内障
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緑内障
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糖尿病網膜症
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加齢黄斑変性
■見えにくさはありませんか? アイフレイルチェックリスト
□若い頃と比べて、目が疲れやすくなった
□夕方になると、対象物(人や物)・景色が見えにくいことがある
□新聞・本・スマホなどの小さい文字を見ていると、目が疲れてしまう
□食事の際、うまく食べ物をつかめず、テーブルを汚してしまうことが増えた
□眼鏡をかけても、見えにくいことがある
□若い頃と比べて、まぶしさを感じやすくなった
□はっきり見えず、見ようとしてまばたきをすることがある
□真っ直ぐの線(直線)がゆがんで見えることがある
□段差や階段の距離感・位置をつかめず、転びそうになった・転んだことがある
□信号・道路標識・案内看板などを見落としそうになった・見落としたことがある
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チェックが0だった方
今のところは、目の健康に問題が起きている可能性は少ないです(※)。見えにくさなどの目の変化を感じたときは、再度、チェックリストで確認してみてください。
(※)目の異常・目の病気がないことを
保証するものではありません。
正常に見えても、目の異常・目の病気が
ひそんでいる可能性があります。
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チェックが1つあった方
目の健康に多少の懸念はありますが、大きな問題が起きている可能性は少ないです。ただちに治療が必要になるとは限りませんが、気になる方は、眼科の受診をおすすめします。
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チェックが2つ以上あった方
アイフレイルの可能性があります。眼科を受診することをおすすめします。
【40歳を過ぎたら、眼科で定期検査を受けましょう】
年齢を重ねる上で、避けられない機能の低下(衰え)。
年齢を重ねるごとに頭部・身体の様々な機能が低下していくため、どなたにも目の機能の低下=アイフレイルは起こります。
どなたにも起こるアイフレイルですが、アイフレイルを放置すると、見えにくさによって生活の質(Quality of Life:QOL)が下がりやすいです。
[アイフレイルの放置による、QOLの低下の例]
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見えにくいため、人付き合いを避けるようになった
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見えにくいため、外出が減った
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見えにくいため、スポーツや旅行などのアクティビティをしなくなった など
QOLの低下のほか、アイフレイルを起こす目の病気の中には、白内障・緑内障・糖尿病網膜症など、重症化すると失明の危険性があるものも。
見えにくさの進行を少しでも遅らせ、失明から目を守るために、40歳を過ぎたら、眼科で定期検診を受けましょう。
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次回のブログでは、「アイフレイルへの対処の仕方(見えにくさの進行への対処・目の病気の治療)」について、お話しします。