前回のブログでは、ものもらいの原因・症状のお話をさせていただきました。
ものもらいは目を守っているまぶたの病気のため、眼科の受診をおすすめします。眼科の受診が基本の対処法になりますが、ものもらいは市販薬の目薬でも治せるのでしょうか?
目次
■ものもらいは市販薬の目薬で治せるの?
◎麦粒腫のものもらいは市販薬の目薬で対処する方法もあります
細菌感染が原因である麦粒腫のものもらいは、通販やドラッグストアで購入できる、抗菌成分が入った目薬で細菌の繁殖を抑える方法も。
眼科でお出しする処方薬or市販薬、どちらも、ものもらいの目薬は以下のような点を主な目的としています。
[ものもらいの目薬で狙う効果(処方薬or市販薬)]
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抗菌成分によって細菌を死滅させる
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抗菌成分によって細菌の繁殖を抑える
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患部の炎症を鎮める
なお、麦粒腫のものもらいは化膿後に膿が出て、自然治癒する場合もあります。
◎霰粒腫のものもらいは眼科でのステロイド注射や手術が必要になることも
マイボーム腺の出口の脂詰まりが原因である霰粒腫のものもらいは、市販薬の目薬では根本的な改善(脂詰まりの解消)は見込めません。
市販薬の目薬での改善は見込めませんが、霰粒腫のものもらいは軽いものであれば自然治癒する場合も。
自然治癒する場合もありますが、霰粒腫のものもらいでしこりが大きくなったケースでは眼科でのステロイド注射(しこりを小さくするための注射)やしこりの除去手術が必要になることがあります。
{急性霰粒腫のものもらいは市販薬の目薬で応急処置をする方法も}
細菌に感染した状態である急性霰粒腫のものもらいに対しては、麦粒腫と同様に抗菌成分が含まれた市販薬の目薬を用い、細菌の繁殖を抑えながら炎症を鎮める方法も。
なお、急性霰粒腫に対する市販薬の目薬の使用はあくまでも「応急処置」とお考えください。急性霰粒腫を含め、ものもらいは眼科での治療が基本になります。
■眼科でのものもらい(麦粒腫、霰粒腫)の治療方法
眼科では、以下のような治療を行い、まぶたの状態改善にアプローチします。
[ものもらいの治療方法]
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抗生物質を含む目薬・軟膏の使用
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温罨法(おんあんぽう:温かいタオルなどを用いて患部を温め、膿や脂の排出をうながします)
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ステロイド注射(霰粒腫のものもらいのしこりが大きい場合)
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切開排膿(麦粒腫のものもらいが化膿した場合)
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切開手術(霰粒腫のものもらいのしこりが大きい場合)
■ものもらいを防ぐための予防法・注意点
日頃から、以下のような点に気をつけることで、ものもらいの発症を防ぎやすくなります。
1.こまめに手を洗う
トイレの後はもちろん、食事の前や帰宅時など、日常生活ではこまめに手を洗いましょう。
2.手や指で目にさわらない・目をこすらない
手や指で目にさわる・目をこすることは控えましょう。
3.こまめに爪を切る
日頃から、こまめに爪を切りましょう。
4.コンタクトレンズ・レンズケースは清潔を保つ
コンタクトをお使いの方は、コンタクトレンズ・レンズケースの清潔を保ちましょう。
{ものもらいができたときは、コンタクトの装用・アイメイクは控えてください}
ものもらいができたときはコンタクトの装用は控えましょう(見えにくい場合は眼鏡をかけることをおすすめします)。また、お化粧をされる方は、ものもらいができたときはマスカラなどのアイメイクは控えてください。
5.前髪の先端が目にふれないようにする
前髪が長い方は、サイドに前髪を流す、前髪をまとめるなどして前髪の先端が目にふれないようにしましょう。
6.まぶたを温める
[まぶたの温め方]
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目を閉じてシャワーのお湯をまぶたにかける
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まぶたの上に蒸しタオル(熱くしすぎないように注意)を乗せる
上記のような方法でまぶたを温めることで、まぶたの内側にあるマイボーム腺の出口からの脂の排出をうながす効果を期待できます。
7.十分な睡眠を取る
細菌に対する免疫力、自然治癒力を高めるためには、十分な睡眠を取ることが大切です。
お仕事などで忙しく睡眠時間の確保が難しい方もいらっしゃると思いますが、1日7時間以上、睡眠をとるようにしましょう。
8.ストレスを溜め込まず、しっかり休養を取って規則正しく生活する
できるだけストレスを溜め込まず、しっかり休養を取って規則正しい生活を送ることを心がけましょう。
ストレス、休養不足、不規則な生活は免疫力や自然治癒力を低下させる原因になります。
【ものもらいができたときは眼科を受診することをおすすめします】
ものもらいは自然治癒することも多いです。自然治癒することも多いのですが、ものもらいはケースによっては治癒までに時間がかかったり、炎症・化膿が進んでまぶたの腫れが大きくなる場合も。
症状を進行させないためにも、ものもらいができたときは眼科を受診することをおすすめします。