緑内障ってどんな病気?|町田市の眼科|町田胃腸病院眼科

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緑内障ってどんな病気?



緑内障(りょくないしょう)とは、何らかの原因によって視野が狭まる目の病気です。目と脳をつなぐ視神経が障害を受けることで緑内障を発症します。


緑内障は放置すると失明に至るケースが少なくありません。特に40歳以上で緑内障が多く見られるため、中高年の方は注意が必要です。


今回は「緑内障の概容」および「緑内障の症状・原因」についてご説明します。


■緑内障の失明率


◎日本人で失明した方の約41%は緑内障により視力を失っています

緑内障は治療せず放置してしまうと、失明に至るケースが少なくありません。


日本人で失明した方のは約41%(2.5人に1人)は緑内障により視力を失っています(※)。


(※)鹿児島大学 坂本泰二教授「網膜脈絡膜・視神

経萎縮症に関する調査研究」(2021)より引用。


■緑内障を発症しやすい年齢


◎40歳以上の中高年の方に緑内障が多く見られます

緑内障は40歳以上の中高年の方に多い目の病気です。日本人の40歳以上の方の約5%(20人に1人)、60歳以上になると約10%(10人に1人)の割合で緑内障を発症しています(※)。


(※)日本眼科医会HPより引用。


■緑内障のタイプ(症状の進行速度の違い)


◎ゆっくりと症状が進行する慢性型緑内障の割合が多いです

緑内障は大きく分けて以下の2つのタイプがあります。


・ゆっくりと症状が進行する「慢性型緑内障」

・急激に症状が進行する「急性型緑内障」


緑内障の多くは慢性型緑内障(日本人に多い正常眼圧緑内障を含む)です(※)。


慢性型緑内障は10~20年という長い年月をかけ、ゆっくりと症状が進行します。症状の進行がゆるやかで徐々に視野が狭まっていくため、慢性型緑内障に気づかずに放置しているケースも少なくありません。緑内障を放置し続けた結果、中高年になって視野の狭まりに気づき、眼科を受診したときにはかなり緑内障が進行していることも。


(※)日本医療研究開発機構「正常眼圧緑内障の新た

な原因発症メカニズムの解明」(2022)より引用。


{急激に症状が進行しやすい「急性型緑内障」も}


急性型緑内障は眼圧が急上昇し、発作的に発症するタイプの緑内障です。


急性型緑内障になると眼圧の急上昇によって目の痛み、吐き気や頭痛などの急激な症状が現れます。急性型緑内障は放置すると眼圧の急上昇によって数日~1週間(重症化したケースでは一晩の場合も)で失明に至ることもあるため、早急な処置が必要です。


■緑内障の種類(発症原因別の種類)


◎緑内障は発症原因により3つの種類に分類されます

タイプ(症状の進行速度の違い)のほか、緑内障は発症原因により以下の3つの種類に分類されます。


1.原発性緑内障

(生まれつきや病気以外の不明な原因によって発症する緑内障)(※)


2.小児性緑内障

(生まれつき、または、成長にともない若い年齢で発症する緑内障)


3.続発性緑内障

(白内障や糖尿病などの病気、または、目の怪我が原因で発症する緑内障)


(※)原発性(げんぱつせい)・・・原因不明、または、原因

となる病気がないにも関わらず発症する、という意味。


◎日本人の緑内障の約60~70%は原因不明の「原発性緑内障」

日本人の緑内障でもっとも多いのは原因がはっきりしない原発性緑内障です。日本人の緑内障の約60~70%は原因不明の原発性緑内障(日本人に多い正常眼圧緑内障を含む)とされ、中高年の多くの方が原発性緑内障を発症しています(※)。


(※)日本医療研究開発機構「正常眼圧緑内障の新た

な原因発症メカニズムの解明」(2022)より引用。


■緑内障の症状


◎緑内障の多くは症状を感じにくいです

日本人の緑内障の約60~70%を占めるとされる原発性緑内障。


通常、原発性緑内障はゆっくりと症状が進行し、徐々に視野が狭まっていきます。症状の進行がゆるやかなため、緑内障に気づかず放置してしまうケースが少なくありません。


原発性緑内障と同様に発達性緑内障(10~20歳代で発症する遅発型発達性緑内障)、および、続発性緑内障も通常、ゆっくりと症状が進行します。症状の進行がゆるやかなため、発達性緑内障、続発性緑内障は病気の存在に気づかないことが多いです。


{初期は症状を感じにくく、中期以降になると自覚症状が現れる場合も}


原発性緑内障は初期段階では症状を感じにくいです。ただし、中期以降になると以下のような自覚症状(※)が現れる場合があります。


・急に視力が落ちる

・中心部分(ご自身の鼻に近い部分)の物や景色が見えにくくなる

・視野が狭まる

・頭痛

・肩こり

・目が疲れやすい


(※)自覚症状・・・患者様ご自身が感じる症状。


{赤ちゃんの時期に発症する早発型発達性緑内障は要注意}

 

赤ちゃん(0~1歳頃)の時期に発症する早発型発達性緑内障は涙が多くなる、黒目が大きくなる、黒目が白く濁るなどの症状が現れることが多いです。


赤ちゃんに上記のような症状が見られるときは早急に眼科で診察を受けてください。


■緑内障の原因


◎緑内障を発症する原因ははっきりとはわかっていません

緑内障を発症する原因ははっきりとはわかっていません。


現段階では、「視神経の内部に毒性物質が存在する可能性」「生まれつきの視神経の細さ・弱さ」「免疫機能の異常」などが緑内障の発症原因ではないかと推測されています。


◎原因の一つ「眼圧の上昇」

緑内障を発症する原因ははっきりとはわかっていません。はっきりとはわかっていませんが、緑内障をひき起こす原因(メカニズム)の一つには「眼圧の上昇」があります。


眼圧(がんあつ)とは、目の中を満たす液体である房水(ぼうすい)によって眼球内にかかる圧力を指す言葉です。目は房水で満たされており、目の中にある隅角(ぐうかく)から静脈内に房水を定期的に排出することで眼圧を調整しています。


通常、房水は隅角から排出されて眼圧は正常に保たれます。しかし、何らかの原因によって隅角が目詰まりしたり狭まると房水の排出が滞り、眼圧が上昇して緑内障を発症することがあります。


◎日本人の緑内障の約60~70%が正常眼圧緑内障と推測されています

これまで、緑内障の主な発症原因は眼圧の上昇と考えられてきました。しかし、研究・調査の結果、日本人の緑内障の約60~70%が眼圧が正常にも関わらず緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」(原発性緑内障の一つ)であると推測されています(※)。


(※)日本医療研究開発機構「正常眼圧緑内障の新たな原因発症

メカニズムの解明」(研究論文)(2022)より引用。


【定期的に眼科で検査を受けましょう】


緑内障は自覚症状に乏しく、ご自身では気づけないケースが多いです。


症状に気づかず、緑内障を放置してしまうと失明に至ることもあります。


緑内障をはじめとする目の病気や異常を早期に発見し、早い段階で治療を開始するためには眼科での定期的な検査が欠かせません。


当院では以下の緑内障検査を行っています。


・眼圧検査

・眼底検査

・視野検査


定期的に検査を受けることで目の病気や異常をいち早く察知しやすくなり、早期治療を行う可能性を高められます。


大切な目を守るために、定期的に眼科で検査を受けましょう。


町田胃腸病院
眼科医師
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