「まつ毛の生え際にできものが… 痛みもあるし、何だろう?」
皆様は、まつ毛の生え際・まぶたの内側にぷくっとしたできものができたご経験はありませんでしょうか?
まつ毛の生え際・まぶたの内側のぷくっとしたできものは、ものもらいの可能性があります。
今回は、かかったことがある方も多い「ものもらい」のお話です。
目次
■ものもらいとは?
◎まつ毛の生え際やまぶたの内側に細菌が感染したり、まぶたの縁にある脂を出す腺に脂が詰まって炎症を起こす病気です
ものもらいとは、まつ毛の生え際やまぶたの内側に細菌が感染したり、まぶたの縁にある脂を出す腺(マイボーム腺)の出口に脂が詰まって炎症を起こす病気です。
ものもらいは多くの場合、炎症に伴いまつ毛の生え際やまぶたの内側が腫れてぷくっとしたできものができます。できものが化膿するケースも多いです。
◎「ばか」「めばちこ」など、地域によってものもらいの呼び名に違いも
日本では、以下のように地域によってものもらいの呼び名に違いが見られます。
[昔ながらの、地域ごとのものもらいの呼び名(一部)]
- めっぱ(北海道)
- ほいど(ほいと)(秋田)
- ばか(ばが)(宮城、(山形:上まぶたにできるものもらい))
- めんご(山形:下まぶたにできるものもらい)
- めんぼ(愛知、三重、岐阜)
- めばちこ(西日本、特に和歌山)
- おひめさん(熊本)
- みぃんで~(沖縄)
地域ごとのものもらいの呼び名は、今では、あまり使われなくなったものもあるようです。中には「ばか(ばが)(宮城、山形)」「おひめさん(熊本)」など、ユニークな呼び名も。
■ものもらいの種類 - 発症原因 –
発症原因により、ものもらいは以下のように分類されます。
◎麦粒腫(外麦粒腫、内麦粒腫)
原因:細菌感染
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とは、細菌感染が原因のものもらいです。主に、手や指で目にふれた・目をこすったことが原因で常在菌(人の身体に存在する細菌)に感染し、麦粒腫を発症するケースが多く見られます。
- 外麦粒腫(がいばくりゅうしゅ):まつ毛の毛根に細菌が感染したもの
- 内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ):まぶたの内側にあるマイボーム腺に細菌が感染したもの
◎霰粒腫
原因:マイボーム腺の出口の脂詰まり
霰粒腫(さんりゅうしゅ)とは、マイボーム腺の出口に脂が詰まり、炎症が起きるものもらいです。
マイボーム腺の出口(開口部)は上下のまぶたの縁(まつ毛の生え際の少し内側)にあり、マイボーム腺の出口から脂を出すことで乾燥から目を守っています。
以下のような要素(原因)があるとマイボーム腺の出口に脂が詰まり、霰粒腫を発症することがあります。
[霰粒腫をひき起こすことがある主な要素]
- 加齢による分泌機能の低下
- 加齢によるマイボーム腺の出口の狭窄
- アイメイク(マスカラなど)の取り残し
- 動物性脂肪の摂り過ぎ
- 乾燥
- 長時間のコンタクトレンズの装用(コンタクトレンズによるマイボーム腺への摩擦の刺激)
■ものもらいの症状 痛いときはどの種類のものもらいなの?
◎麦粒腫は痛みやかゆみを伴うことが多いです
ものもらいのうち、細菌感染が原因のものもらいである麦粒腫(外麦粒腫、内麦粒腫)は痛みやかゆみを伴うことが多いです。
[麦粒腫(外麦粒腫、内麦粒腫)の主な症状]
- 赤み
- 腫れ
- 痛み
- かゆみ
- 化膿
◎霰粒腫は痛みを感じるケースは少ないですが、細菌に感染した場合(急性霰粒腫)は痛みやかゆみなどの症状が現れることも
痛みやかゆみを伴うことが多い麦粒腫に対し、マイボーム腺の出口の脂詰まりが原因の霰粒腫(細菌に感染していない状態の霰粒腫)は痛みを感じることはあまりありません。
霰粒腫の症状としては患部のしこりがありますが、霰粒腫は麦粒腫のような赤みは見られない場合が多いです。
痛みや赤みを伴わないことが多い霰粒腫ですが、霰粒腫のしこりに細菌が感染すると「急性霰粒腫」になり、麦粒腫と同様に赤み、腫れ、痛みやかゆみなどの症状が現れる場合があります。
[霰粒腫の主な症状]
- 患部のコロコロとしたしこり
(以下、細菌に感染して急性霰粒腫になった場合)
- 赤み
- 腫れ
- 痛み
- かゆみ
- 化膿
■ものもらいはうつる?
◎ものもらいがうつることはありません
元々、人の身体に存在する常在菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌に感染し、麦粒腫のものもらいが起きることが多いです。多くの感染ケースにおいて常在菌が原因のため、人への感染は基本的にありません。
霰粒腫もマイボーム腺の出口の脂詰まりが原因のため、原則として、人へものもらいがうつることはないです。
【次回のブログでは、ものもらいの対処法・予防の仕方をご紹介します】
今回は、ものもらいの原因・症状について、お話をさせていただきました。
次回のブログでは、ものもらいの対処法・予防の仕方をご紹介します。