インターネットの発達により、プライベート・仕事を問わず、スマホ・PCなどの画面を長時間、見る方が増えています。
情報端末の画面を見るとき、気をつけていただきたいのが、画面から発せられる「ブルーライト」です。
ブルーライト、という言葉を聞き、「目に悪い」ということは何となく知っている…という方も多いのではないでしょうか?
今回は、スマホ・PCなどの画面から発せられるブルーライトがなぜ、目に悪いのかについて、詳しく解説します。
目次
■そもそも、ブルーライトって何?
◎可視光線の一種で、波長が短い青色の光です
スマホ端末やパソコンのLEDモニターなど、スマホ・PCの画面からは、ブルーライトという光が発せられています。
ブルーライトとは、可視光線(かしこうせん:人の目で見ることができる光)の一種です。青紫~青色の光のため、ブルーライトと名付けられました。
■ブルーライトが目に悪い理由
◎波長が短いため、ブルーライトはエネルギーが強く、目に悪影響をおよぼしやすいです
人が見ることができる(目視できる)光、可視光線。
ブルーライトの波長は400~500nm(ナノメートル)ほどになります。可視光線の中では、ブルーライトはもっとも波長が短いです。
光(電磁波の一種)は波長が短いほどエネルギーが強く、人体に悪影響をおよぼしやすくなります。
≪電磁波の波長≫
短い(人体に悪影響が出やすい)←波長の長さ→(人体に悪影響が出にくい)長い
pm(ピコメートル=1兆分の1メートル)
nm(ナノメートル=10億分の1メートル)
㎛(マイクロメートル=100万分の1メートル)
mm(ミリメートル=1000分の1メートル)
波長の短さから、以下のような理由により、ブルーライトは目に悪影響をおよぼしやすいとされています。
理由①波長が短く、光が散乱して、まぶしさ・チラつきによる目の疲れが生じやすい
ブルーライトは波長が短く、エネルギーが強いため、光が散乱しやすいです。
画面から発せられるブルーライトは光が散乱しており、まぶしさ・チラつきを感じさせやすい特徴を持っています。
スマホ・PCの画面を長時間見続けると、まぶしさ・チラつきにより、目の疲れが生じやすいです。
理由②波長が短く、光のエネルギーが強いため、目の角膜や網膜に悪影響を与えやすい
ブルーライトは波長が短く、光のエネルギーが強いです。
光のエネルギーの強さから、ブルーライトは目の角膜や網膜に以下のような悪影響を与えやすいと考えられています。
[ブルーライトが与えると考えられている、目の角膜や網膜への悪影響]
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ブルーライトが目にあたることで角膜の細胞が減少し、目の新陳代謝(ターンオーバー)を遅らせてしまう(※1)
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ブルーライトが目にあたることで角膜の細胞が減少し、炎症性物質が分泌される(※1)
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ブルーライトが目にあたることで網膜の細胞の新陳代謝が悪化し、網膜の損傷をひき起こす可能性がある(※2)
なお、上記のブルーライトによる悪影響はネズミや猿などに対する研究報告であり、現時点では、人の目への影響ははっきりとは解明されていません。
(※1)ロート製薬研究所「リアルタイムPCR法による
遺伝子発現量の評価」(2020)より引用。
(※2)A. Krigel,et al.「Light-induced retinal damage usin
g different light sources, protocols and rat strains
reveals LED phototoxicity」(2016)より引用。
【目への悪影響に加え、ブルーライトは体内時計のリズムを乱れさせる可能性も】
目への悪影響に加え、ブルーライトは体内時計のリズムを乱れさせる可能性があることが研究によって指摘されています(※)。
(※)慶応義塾大学医学部眼科学教室,福岡女子大学人間環境学
部生活環境学科 共同研究「住宅照明中のブルーライトが体内
時計と睡眠覚醒に与える影響」(2016)より引用。
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今回は、ブルーライトがなぜ、目に悪いのかをご説明させていただきました。
次回は、「寝る前にブルーライトを浴びると、体内時計のリズムが乱れて眠れなくなることがある」および「ブルーライトの対策方法」について、お話しします。