眼科の代表的な検査の一つに、眼圧(がんあつ)を測る「眼圧検査」があります。
眼科で診察を受けたことがある方は、一度は、目にシュッと風を吹きかけられたご経験があるのではないでしょうか。あの「シュッ」が眼圧検査です。
目にシュッと風を吹きかける眼圧検査。風を吹きかけることで何がわかるのか、気になる方も多いかと思います。
今回は、眼圧検査では何がわかるのか、および、眼圧検査の対象になる目の病気についてご説明します。
目次
■眼圧検査では何がわかるの?
◎眼圧検査では目の硬さ(眼圧)を測定します
眼圧とは、目の硬さを表す数値です。眼圧検査では、目に風を吹きかけることで目の硬さである眼圧を測定します。
眼圧検査では、目の表面にシュッと風を吹きかけ、一時的に目の表面をへこませます。眼圧が高い場合はへこんだ目が短時間で元に戻ります。眼圧が低い場合はへこんだ目が元に戻るまでに、より時間がかかります。
一時的にへこんだ目が元に戻るまでの時間を見ることで、目の硬さ(眼圧)を測るのが眼圧検査の仕組みです。
なお、眼圧検査で吹きかける風は単なる空気です。患者様によっては目にシュッと風を吹きかけられたときに驚いてしまうかもしれませんが、痛みはなく、目への悪影響はありません。ご安心ください。
◎緑内障をはじめとする目の病気を調べるために眼圧検査を行います
緑内障は眼圧が高くなることでひき起こされることがあります。眼圧が正常にも関わらず発症する「正常眼圧緑内障」の方も多いのですが、眼圧の高さは緑内障と大きく関係しています。
上記の理由から、緑内障をはじめとする目の病気を調べるために眼圧検査を行います。
緑内障については、ブログにて詳しくご説明しています。併せてご参照ください。
■目の硬さと眼圧の関係
◎目の中を流れる房水の量が眼圧を左右します
目の中には房水という水分が流れており、房水が圧力をかけることで目の硬さ(眼圧)を保っています。
◎房水の排出が滞ると眼圧が高くなりやすいです
緑内障などが原因で房水の出口が狭まり、房水の排出が滞ると眼圧が高くなりやすいです。
房水や目の状態を確認するには、まず、眼圧検査を行います。最初に眼圧検査を行うのは、眼圧の高さを測定することで房水の排出異常、および、房水の排出異常によってひき起こされる緑内障の有無を判断しやすくなるためです。
眼圧は10~21mmHgが正常値とされています。正常値よりも眼圧が高い場合は、緑内障の可能性があります。ただし、ストレスや運動、スマホやパソコンの見過ぎ、逆立ちなどでも眼圧が上がることがあるため、正常値よりも眼圧が高いからと言って、必ずしも緑内障と断定はできません。
【40歳を過ぎたら、眼科で定期的に眼圧検査を受けましょう】
緑内障は40歳を過ぎた頃から、発症リスクが高まり始めます。
緑内障の初期段階に起こり得る症状には視野が狭まるなどがありますが、視野の異常が起きないケースも少なくありません。緑内障は自覚症状に乏しく、緑内障にかかっていることに気づくにくいです。ご自身では気づきにくいため緑内障を放置してしまい、重度の緑内障で失明寸前になってようやく眼科を受診する…という方も多く見られます。
緑内障は早期に発見することで、点眼薬により眼圧を下げる治療を行えます。緑内障に対して早期から眼圧を下げる点眼治療を続けるのと、何もせずに放置しているのとでは、5年後、10年後の見え方に大きな差が出てきます。
緑内障を発見するためには、まずは、眼科で眼圧検査を受けることが重要です。
緑内障を発見するため、また、大切な目を守るためにも、40歳を過ぎたら、眼科で定期的に眼圧検査を受けましょう。