普段の生活の中で、目が充血したご経験がある方も多いかと思います。
目の充血とは、目の血管がふくらんだ状態です。何らかの原因により、目の血管がふくらむと、目が充血して赤く見えることがあります。
目の充血は、ほこりなど一時的なものもあれば、目の病気が原因の場合も。目の病気が原因の目の充血は、眼科での早めの受診が大切です。
目次
■目が充血する主な原因
目の充血は、主に、以下の5つの要素によって起こります。
①外部からの一時的な刺激
・目に、ほこり、動物の毛、ハウスダストなどの異物が入った
・目に、プールの塩素など、刺激性のある液体が入った
・異物が入ったとき、指などで目を強くこすった
②コンタクトレンズ
・コンタクトレンズをきちんと洗っていない(洗浄不足による細菌感染)
・コンタクトレンズのカーブが合っていない(カーブが合っていないと、角膜を傷つけやすい)
・コンタクトレンズ(特に水分含有量が多い「うるおいタイプ」)により、ドライアイになっている
{コンタクトレンズによって目の病気を発症し、目が充血するケースが多いです}
コンタクトレンズの汚れが原因で目に細菌が感染し、感染性結膜炎になるケースは少なくありません。
コンタクトレンズのカーブが合わない場合、角膜が傷ついて角膜炎(感染性角膜炎)になることもあります。
水分量が多い「うるおいタイプ」などのソフトコンタクトレンズにより、目の水分がレンズに奪われ、乾燥性角結膜炎(ドライアイ)を発症するケースも。
③紫外線
・夏の強い紫外線を長時間目に浴びてしまった
・雪山で紫外線の照り返しを長時間目に浴びてしまった(雪目)
④目の疲れ
・睡眠不足などが原因で、目が疲れている
・パソコンやスマホの見過ぎで、目が疲れている
睡眠不足、パソコンやスマホの見過ぎなどの要因があると目が乾きやすく、目を休める時間が少なくなります。
目を休める時間が少なくなると、脳が「目を休ませなきゃ」と目に酸素や栄養を送り届けようとして目の血管をふくらませ、目が充血することがあります。
⑤目の病気
・感染性結膜炎
・感染性角膜炎
・乾燥性角結膜炎(ドライアイ)
・アレルギー性結膜炎(目の病気の一種ですが、目に異物が入ったなど、一時的なものも多いです)
・ぶどう膜炎
・結膜下出血
・急性閉塞隅角緑内障
上記のような、目の病気が原因で、目が充血することがあります。
■目の充血の仕方で、病気かそうでないかは見分けられる?
◎目の充血の仕方で、ある程度、目の病気かそうでないか(重篤な目の病気ではないか)を見分けられる場合があります
目の充血は、主に以下の2種類があります。
[目の充血の種類]
①結膜充血······· アレルギー性結膜炎(一時的なものも)・感染性結膜炎など
②毛様充血······· ぶどう膜炎・急速閉塞隅角緑内障など
上記2つの目の充血は、いずれも目の病気により起きることが多いです。
アレルギー性結膜炎については、ほこり、動物の毛、ハウスダストなど、目に異物が入った一時的なものもあります。
上記2つに加え、目の結膜から出血した場合は、白目の部分が真っ赤に染まって充血することがあります(結膜下出血)。白目が真っ赤に染まって目が充血しているときは、結膜からの出血が疑われます。
結膜下出血は、主に、以下のような原因で起こります。
[結膜下出血の主な原因]
・目を強くこすった
・目をぶつけた
・強くいきむなど、突然の血圧上昇
・目の手術後の副作用
・目の硝子体注射後の副作用
・感染性結膜炎(原因としては稀です)
・白血病(原因としては稀です)
■片目だけの目の充血は何が原因?
◎感染性結膜炎・感染性角膜炎が原因で、片目だけ、目が充血する場合があります
通常、目の充血は、両目に起きることが多いです。ただし、感染性結膜炎・感染性角膜炎が原因で、片目だけ、目が充血する場合があります。
なお、感染性結膜炎・感染性角膜炎は、必ずしも、片目だけに起きるとは限りません。患者様や目の状態など、ケースによっては、感染性結膜炎・感染性角膜炎が両目の充血を起こす場合も。
◎片目に異物が入ったときに、片目だけ、目が充血することがあります
感染性結膜炎・感染性角膜炎のほか、ペットの毛など、片方の目に異物が入ったときに、片目だけ、目が充血することがあります(アレルギー性結膜炎)。
■両目の充血は?起きやすいことなの?
◎通常、目の充血は両目に起きることが多いです
目の充血は、両目に起きることが多いです。
前述の①~⑤でお伝えした、いずれの原因においても、通常、目の充血は両目に起きる傾向があります(感染性結膜炎・感染性角膜炎を除きます)。
■子どもの目の充血 主な原因は?
◎アレルギー性結膜炎、感染性結膜炎(はやり目、プール熱)などの原因で、子どもの目の充血が起きることがあります
子どもの目の充血の原因で多いのは、主に、以下の2つです。
[子どもに多く見られる、目の充血の原因]
・アレルギー性結膜炎
・感染性結膜炎(はやり目、プール熱)
上記のうち、アレルギー性結膜炎については、目にほこりや動物の毛が入ったなど、一時的なものもあります。
{ウイルスによる感染性結膜炎(はやり目、プール熱)には注意が必要}
感染性結膜炎は、目がウイルスや細菌に感染することで起こります。
特に注意が必要なのが、プールやお風呂(バスタブへの入浴)、感染者が使ったタオルなどを介して感染する可能性がある、ウイルスによる感染性結膜炎です。
ウイルスによる感染性結膜炎は、「はやり目」「プール熱」とも呼ばれ、アデノウイルスによってひき起こされます。ウイルスによる感染性結膜炎は感染力が強いです。お子さまには学校・習い事を休ませるなどして、早期の眼科受診が必要になります。
{細菌による感染性結膜炎は症状が軽いことが多いです ただし 油断は禁物}
ウイルスによるものと比べると、細菌が原因の感染性結膜炎は症状が軽いことが多いです。ただし、ウイルス・細菌など原因に関わらず、感染性結膜炎が進行して角膜炎を発症するケースもあります。角膜炎が悪化すると、最悪の場合、失明に至ることも。
■目の充血の対処方法
◎ご自身で対応できるものから、眼科での受診が必要なケースも
目が充血しているときは、原因に合わせて、適切に対処することが重要です。
ほこりや動物の毛が目に入ったなど、一時的なものや、疲れ目は、ご自身で対応できる可能性もあります。
コンタクトレンズや目の病気が原因の目の充血は、眼科での受診が必要なケースが多いです。
紫外線については、2~3日程度経てば、目の充血や見えにくさは治まることが多いです。ただし、強い紫外線を浴びて目の充血や見えにくさが起きた場合は、念のため、眼科を受診しましょう。
①外部からの一時的な刺激
・目に入った異物を流水で洗い流す
・異物を洗い流した後、充血が治まらないときは、目の炎症や充血を抑える成分が入った市販の目薬をさす(※)
(※)長時間、目の充血が治まらない場合は、眼科で受診してください。
②コンタクトレンズ
・コンタクトレンズの装用を止める(見えにくい場合はメガネをかける)
・眼科を受診する
③紫外線
・紫外線が届かない屋内に移動し、目を休ませる
・目の炎症や充血を抑える成分が入った市販の目薬をさす
・眼科を受診する
④目の疲れ
・睡眠と栄養をしっかり取り、目を休ませる
・目の栄養成分が入った市販の目薬をさす
⑤目の病気
・自己判断で放置せず、眼科を受診する
【目の充血が続いている方、ご自身での対処で目の充血が治まらない方は、眼科で診察を受けましょう】
ほこりが入った、疲れ目など、原因によっては、ご自身での対処で目の充血を解消できる場合もあります。
ご自身で対処できる場合もありますが、目の充血が続いているときは、要注意。目の病気により、目の充血がひき起こされている可能性も。
目の充血が続いている方、ご自身での対処で目の充血が治まらない方は、眼科で診察を受けましょう。