「このところ、やけに視界がぼやけるなあ… 老眼かな?」
「でも、老眼鏡をかけても見え方が改善されない… 不安…」
突然ですが、皆様には視界がぼやける・ゆがんで見えるなどの症状はありませんでしょうか?
上記のような症状が見られる方は、「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の可能性があります。
今回は、放置すると失明することもある目の病気「加齢黄斑変性」の原因・症状・見え方について、ご説明します。
目次
■そもそも、黄斑(おうはん)て何?
◎目の奥にある網膜の中心部を指します
黄斑(おうはん)とは、目の奥にある網膜(もうまく)の中心部を指します。
網膜は、カメラで例えるならフィルム。その中心部である黄斑は、網膜の中でも特に大切な部分です。
網膜の中心部である黄斑の組織が対象物を見分けたり、色を識別することで、私たちは物を見ています。
目の病気などにより、網膜の黄斑がダメージを受けると、細かい文字や人の顔などがぼんやりとした見え方になってしまうことも。
■加齢黄斑変性とは
◎黄斑の裏にある脈絡膜から出血、または、黄斑が萎縮し、視界がぼやけたりゆがんで見える目の病気です
物をはっきり見るために欠かせない、網膜の中心部、黄斑。
加齢黄斑変性とは、加齢などの原因により、視界がぼやけたりゆがんで見える目の病気です。
■加齢黄斑変性のタイプ
◎滲出(しんしゅつ)型
日本人に多いのが、滲出型の加齢黄斑変性です。
日本人の失明原因の第4位(約9.1%)は加齢黄斑変性、という調査結果があります。
(※)厚生労働省「令和元年度全国視覚障害者
新規認定者調査
[滲出型の加齢黄斑変性の発症メカニズム]
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網膜の裏にある脈絡膜(みゃくらくまく)に異常な、急ごしらえの血管(新生血管、異常血管)が発生する
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新生血管から出血、または、血液中の組織液が血管外に漏れ出すことで、網膜の黄斑部がダメージを受ける
滲出型の加齢黄斑変性は視界のゆがみ・視力低下などの症状が速く(or急激に)進行することが多く、注意が必要です。滲出型の加齢黄斑変性では新生血管(異常血管)からの出血により、失明するケースが少なくありません。
◎萎縮型
欧米人に多いのが、萎縮型の加齢黄斑変性です。
萎縮型の加齢黄斑変性では、加齢を含む何らかの原因によって黄斑が萎縮し、視界がぼやけたりゆがんで見えることがあります。
進行速度が速い滲出型に対し、欧米人に多い萎縮型の加齢黄斑変性は比較的ゆっくりと病気が進行する傾向が見られます。
ゆっくりと進行することが多いため、萎縮型の加齢黄斑変性では、黄斑の中心が萎縮するまでは、重度の視界のゆがみ・視力低下が起きない場合も。
■加齢黄斑変性の原因
◎加齢をはじめとして、遺伝的要因、喫煙・高血圧・肥満・高脂血症などが主な原因と考えられています
加齢黄斑変性を起こす原因は、はっきりとは解明されていません。はっきりとは解明されていないのですが、以下のような要素が加齢黄斑変性の主な原因と考えられています。
[加齢黄斑変性の原因と考えられている主な要素]
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加齢
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遺伝的要因(生まれつき、新生血管(異常血管)を作るVEGF因子(血管内皮増殖因子)が多い)
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喫煙
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高血圧
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肥満
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高脂血症
■加齢黄斑変性の症状 どんな見え方になるの?
◎視界がぼやけたり、物がゆがんで見えるなどの症状が特徴です
加齢黄斑変性になると、以下のような症状が現れやすくなります。老眼に似た症状も多く、老眼と勘違いしてしまい眼科の受診が遅れることも。
[加齢黄斑変性の主な症状(見え方)]
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視界がぼやける
(文字がぼやけて読めなくなる、人の顔をはっきりと見分けられなくなる、など)
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物がゆがんで見える
(直線がゆがんで見える(=歪視:わいし)、など)
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視界の中心部に黒い点が現れ、視界の中心部が見えなくなる(中心暗転)
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色があせて見える など
【次回のブログでは、加齢黄斑変性の治療方法をご紹介します】
進行すると失明することもある、加齢黄斑変性。
視界不良や失明から目を守るためにも、視界がぼやける、物がゆがんで見えるなどの症状がある方は、速やかに眼科を受診しましょう。
次回のブログでは、加齢黄斑変性の治療方法をご紹介します。