目薬で治る?注射・手術で進行は止められる? 「加齢黄斑変性」の治療について解説|町田市の眼科|町田胃腸病院眼科

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目薬で治る?注射・手術で進行は止められる? 「加齢黄斑変性」の治療について解説


主に加齢などが原因で網膜の中心部の黄斑がダメージを受ける目の病気、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)。


前月のブログでは、加齢黄斑変性の概容・種類(タイプ)・症状のお話をさせていただきました。


今回は、眼科で行う加齢黄斑変性の治療について、ご説明します。


■加齢黄斑変性の治療方法 目薬で治るの?


◎滲出型の加齢黄斑変性に対しては、硝子体注射を中心とした治療が主になります

日本人に多く見られる、滲出型の加齢黄斑変性。


滲出型の加齢黄斑変性に対しては、以下のような治療方法があります。

様々な治療方法がありますが、治療の中心となるのは、目の中に薬剤を注射する硝子体注射です。


◎滲出型の加齢黄斑変性の治療方法

①硝子体注射


目の中での出血(失明の原因)をひき起こすおそれがある、新生血管(異常血管)。


硝子体注射では、新生血管の増殖を抑える薬剤(抗VEGF剤:ルセンティスなど)を目の中に注射します。


②光線力学的療法(PDT


光に反応する薬剤(ビスダインなど)を静脈(主に腕の静脈)に注射し、眼底にレーザーを照射することで新生血管を退縮させます。


③レーザー治療(光凝固、経瞳孔的温熱療法)


光凝固


レーザーを照射して新生血管を焼き固め、新生血管の増殖を抑えます。


経瞳孔的温熱療法


弱い力のレーザーを照射し、病変部位を温めることで新生血管の縮小にアプローチします。


④手術(新生血管抜去術、黄斑移動術)


新生血管抜去術


目の手術により、硝子体出血の原因である新生血管を取り除きます。


黄斑移動術


目の手術により、新生血管から離れた場所に黄斑(網膜の中心部)を移動し、視力の改善を図ります。


◎萎縮型の加齢黄斑変性は有効な治療法が見つかっていません

2種類ある加齢黄斑変性のうち、「萎縮型」の加齢黄斑変性に対しては、残念ながら現時点では有効な治療法は見つかっていません。


有効な治療法は見つかっていませんが、萎縮型の加齢黄斑変性には、以下のようなケアで見えにくさなどの症状の進行を遅らせられる可能性も。


[萎縮型の加齢黄斑変性に対するケア]


  • 生活習慣の改善(栄養バランスの取れた食事を取る、定期的に適度な運動を行う、禁煙するなど)

  • サプリメントの摂取(ゼアキサンチン、ルテイン、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、亜鉛など)

  • 日光から目を守る(サングラスをかける、日傘をさす、つばが長い帽子をかぶるなど)


◎加齢黄斑変性に対し、現時点では有効性が認められている目薬はありません

市販or眼科で処方する目薬で加齢黄斑変性を治せないのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?


結論から言いますと、滲出型・萎縮型を問わず、加齢黄斑変性に対し、現時点では有効性が認められている目薬はありません。


{滲出型の加齢黄斑変性に対する目薬の開発が行われています}


現在、滲出型の加齢黄斑変性に対する、抗VEGF成分を含む目薬の開発が行われています。


抗VEGF成分とは、ルセンティスなど、硝子体注射の薬剤(抗VEGF剤)の主成分です。


仮説になりますが、もし、抗VEGF成分を含む目薬の開発に成功した場合は、加齢黄斑変性の治療に選択肢が増える可能性も。加齢黄斑変性に対する、負担の少ない治療法の登場が待たれるところです。


【視界がぼやける・物がゆがんで見えるなど、気になる症状がある方はご相談ください】


目の病気全般に言えますが、加齢黄斑変性(特に滲出型)に対しては、眼科での受診による早期発見・早期治療が望ましいです。眼科での早期の治療開始により、見えにくさの進行や失明のリスクを低減しやすくなります。


視界がぼやける・物がゆがんで見えるなど、気になる症状がある方は当院までご相談ください。


町田胃腸病院
眼科医師
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