
赤くなる場所と伴う症状から、目の充血を見分ける視点
月の終わりにパソコン作業が続いたあと、鏡を見ると片目だけが赤く、外の光がいつもよりまぶしく感じると、疲れ目なのか、家族にうつる病気なのか迷うことは少なくありません。目の充血は赤くなる場所から「結膜充血」「毛様充血」「混合充血」の3つに分けて考えられますが、見た目だけで原因を決めきれない点に気をつけてください。ほかに出る症状や、市販の目薬で気をつけることをまとめます。
この記事の要点まとめ
- 目の充血は赤くなる場所によって「結膜充血」「毛様充血」「混合充血」に分けられますが、見た目だけでは原因を決められません。
- 痛みやまぶしさ、かすみ、見えにくさがあるときは、その日のうちに眼科へ行くことを考えます。薬品が入ったときはすぐに水で目を洗い、物が刺さったときや目に傷がついたかもしれないときは、こすったり押したりせずにすぐ受診します。
- 市販の充血用の目薬やコンタクトレンズの使い方に気をつけ、うつる病気が疑われるときは手洗いやタオルを分けることを心がけます。
赤くなる部位で分かる目の充血の3種類と主な原因

目の充血は、普段は目立たない細い血管がふくらんで赤く見える状態です1。どの部分の血管が広がっているかによって3つに分けられ、背景にある原因の手がかりになります。
白目全体やまぶたの裏が赤い「結膜充血」:疲れ・乾燥・アレルギー・結膜炎
鏡で見たときに白目の外側ほど赤みが強く、あっかんべーをするようにまぶたの裏をめくっても赤くなっているのが結膜充血です。パソコン作業による眼精疲労やドライアイ、コンタクトレンズや紫外線などの刺激、花粉・ハウスダストによるアレルギー性結膜炎、細菌やウイルスによる感染性結膜炎などで起こります1。かゆみや目やにがあるかどうかが、原因を探るひとつの目安になります。
黒目のまわりが赤紫になる「毛様充血」:角膜炎・ぶどう膜炎・急性緑内障
黒目のふちをぐるりと囲むように、青みがかった赤むらさき色に見えるのが毛様充血です。まぶたの裏は赤くなりにくく、目の表面より奥にある部分の炎症や、黒目(角膜)の傷が関わることが多いタイプです。
角膜炎や、目の中の炎症であるぶどう膜炎、急に眼圧が上がる急性緑内障なども、目が赤くなる原因になります。これらはまぶしさや痛み、かすみが出やすいため、結膜充血よりも早めに受診しましょう。とくに強い目の痛みや急な見えにくさに、頭痛や吐き気がともなうときは急性緑内障発作のおそれがあるため、すぐに眼科か救急を受診してください。
両方が重なる「混合充血」と、充血とは異なる結膜下出血
白目と黒目のまわりの両方が赤くなるものは「混合充血」とよばれます。つよい炎症が広がっていることがあり、自分だけで決めるのはむずかしい状態です。
一方、血管が破れて白目がべったりと鮮血のように赤く染まる状態は結膜下出血といい、血管がふくらむ充血とは区別されます。痛みや見え方の変化などほかの症状がなければ、自然に引いていくことが多いです。ただし、目をぶつけたあとに起きたときや何度も繰り返すとき、目やになどほかの症状もあるときは、別の病気が隠れていることがあるため眼科で相談してください2。
片目か両目か・目やに・かゆみ・まぶしさで見る原因候補の早見表
赤みに加えて、どのような症状が重なっているか整理すると見当をつけやすくなります13。
| 原因候補 | 片目/両目 | 目やにの性状 | かゆみ | 痛み・まぶしさ | 見え方の変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 疲れ・ドライアイ | 両目が多い | 少ない | まれ | 乾き・ゴロゴロ感 | 一時的なかすみ |
| アレルギー性結膜炎 | 両目が多い | 白く糸を引く・水状 | 強い | まれ(重症時あり) | 涙でにじむ |
| ウイルス性結膜炎 | 片目から両目へ | 白っぽくネバネバ | あり | ゴロゴロ感・まぶしさ | かすむ場合あり |
| 細菌性結膜炎 | 片目または両目 | 黄緑色で膿のよう | 軽い | 異物感・軽い痛み | 少ない |
| 角膜炎 | 片目が多い | 涙や目やにが増える | 少ない | 強い痛み・まぶしさ | かすみ・視力低下 |
| ぶどう膜炎・急性緑内障 | 片目または両目 | 少ない | なし | 目の奥の痛み・まぶしさ | 霧がかかったかすみ |
| 結膜下出血 | 片目が多い | なし | なし | 軽い違和感のみ | なし |
上記の表は特徴を整理した目安であり、実際の診断の代わりにはなりません。複数の原因が重なっていることもあるため、気になる症状があれば診察を受けることが大切です3。
ポイント
黒目のまわりが赤紫になる毛様充血や、痛み・まぶしさを伴う赤みは、目の奥や角膜の病気が隠れているサインとして注意が必要です。
緊急度で分ける眼科受診の目安:当日受診・救急受診・様子見の境目
目の充血は、赤みの強さだけでなく「ほかにどんな症状があるか」「何日続いているか」から受診を急ぐかどうかを考えます13。
まぶしさ・目の痛み・かすみや視力低下を伴う充血は当日中に眼科へ
通勤中に普段より光がまぶしく感じる、パソコンの数字がかすむ、目の奥がズキズキ痛むといった症状を伴う場合は、仕事の予定よりも当日中の眼科受診を優先してください13。これらは角膜炎やぶどう膜炎など、毛様充血を起こす病気に多いサインです。両目で見ていると、健康なもう片方の目が見えにくさを補ってしまい、異常に気づきにくいことがあります。ときどき片目ずつ手で隠して、霧がかかったような見え方やピントの合いづらさがないか確かめてみてください。
けが・薬品が入った・頭痛や吐き気を伴うときは救急受診も考える
目に洗剤や薬品が入ったときは、その場ですぐに水道水などの流水で十分に目を洗ってから受診してください13。枝やボールなどが目に当たったあとや、強い目の痛みとともに頭痛・吐き気がある場合(急性緑内障発作の可能性)は、診療時間外であっても救急受診を検討する目安になります1。また、まれに頭の奥の血管の異常(内頸動脈海綿静脈洞瘻など)でも目が赤くなり、物が二重に見える、涙が出る、かすむ、頭痛がするなど、人によってさまざまな症状が出ることがあります。
何日続いたら受診する?赤みの経過と繰り返しから判断する目安
何日続いたら受診するかは、原因によって違うため一律の日数では決められません。痛みや見え方の変化がない軽い充血でも、目を休めて数日たっても赤みが引かないときは、眼科で原因を確かめましょう。朝起きたときに目やにが増えてきたり、いったん赤みが引いても同じ場所が繰り返し赤くなったりするときも受診の目安です。
加齢による翼状片(白目の組織が黒目に伸びる状態)や結膜弛緩症(白目の膜がゆるむ状態)が背景にあるケースや、糖尿病などの持病がある方は、早めに相談することをお勧めします3。
画像検索で似ていても決められない理由と、眼科で確かめる検査
スマートフォンで調べた画像と見くらべても、光の当たり方や赤くなってからの時間で赤みの見え方は変わるため、見た目だけで病名は決められません。眼科では液晶視力表で見え方を調べ、眼圧もはかります。さらに、細い光を当てて顕微鏡で目の表面や内側を大きくして見る細隙灯顕微鏡検査や、角膜の傷を色でそめて見る検査などを組み合わせます。
必要に応じて眼底カメラや光干渉断層計(OCT)、視野計などを使い、見た目では分かりにくい目の奥の網膜や視神経の変化まで調べます。
ポイント
光のまぶしさ・痛み・かすみを伴う充血は当日中に受診し、軽い赤みでも目を休めて引かないときや繰り返すときは眼科で検査を受けましょう。
市販の目薬・コンタクトレンズ・家族への感染対策:状況別の対処法
受診までの間にご自宅でどう過ごすかによって、その後の経過やご家族への影響が変わってきます。
血管収縮剤入りの充血用目薬で赤みだけを消すことの落とし穴
手元にある「充血用」の市販の目薬には、血管収縮剤が入っているものがあります。赤みが目立たなくなっても、炎症などの原因がなくなったとは限らないため、痛みやまぶしさ、かすみがあるときは目薬でようすを見ずに眼科を受診してください。乾きやかゆみなど原因によって合う目薬は異なり、医師の処方が必要な目薬もあるため、市販の目薬を使っても変わらないときは眼科で相談しましょう。
コンタクトレンズ装用中に赤くなったら:外すタイミングと再装用の目安
コンタクトレンズをつけているときに充血やゴロゴロ感に気づいたら、その場でレンズを外して眼鏡に切り替えてください3。レンズの下で角膜に傷や感染症が起きていることがあり、装用を続けると症状が重くなるおそれがあります。赤みや違和感が落ち着くまでは再装用を控え、受診する際は使っていたレンズや保存ケース、ケア用品の情報を持参すると原因を探る手がかりになります。
うつる結膜炎が疑われるとき:タオル・手洗い・出勤や家族訪問の考え方
片目から始まって目やにや涙が増える場合、感染力の強いウイルス性結膜炎(はやり目)の可能性があります1。目やにや涙に触れた手を介して広がるため、ご家庭では次の対策を心がけてください。
- 家族とタオル、ハンカチ、枕カバーを分ける
- 目に触れたあとは石けんと流水でよく手を洗う
- 目やにはティッシュでそっと拭き取り、ビニール袋に入れて捨てる
- 点眼薬を家族と共用しない
離れて暮らすお年寄りのご家族に会いに行く予定や、仕事や学校に行くかどうかは、診察の結果をもとに医師と話して決めましょう。職場に出す診断書がいるときも、受診のときに伝えてください。
様子を見てよい人・早めに相談したい人と、町田市の当院眼科での受診の流れ
痛みや見え方の変化がなく、画面から離れて目を休めると引く軽い赤みであれば、保湿や休息で様子を見てもよいでしょう。一方、黒目のまわりの赤みやまぶしさ・かすみがある方、目やにが増えてご家族への感染が心配な方、コンタクトレンズ使用中の方は早めの受診が向いています13。
眼科の初診や検査の費用は受ける検査の内容によって変わり、医療機関によっては診察のあとに案内されます。診断書などの文書料は、一般的には公的医療保険が使えない自費になります。また、検査や点眼薬には一時的なまぶしさやしみ感などのリスク・副作用を伴うことがあります。
町田市にある町田胃腸病院の眼科は、小田急線・横浜線町田駅よりバスで5分の場所にあり、新町田街道沿いと病院西側に駐車場を備えています。受診の際は「いつから赤いか・片目か両目か・痛みやまぶしさの有無・使った目薬」をお伝えいただくと診察がスムーズです。医療機関によっては予約が必要だったり受付の場所が決まっていたりするため、診療時間をアクセスページ(https://machida-eyehp.com/access)で確かめてからお越しください
目の充血に関するよくある質問
Q. 目の充血でとくに注意が必要なのはどのような状態ですか?
A. 黒目のまわりが赤紫色になる充血や、光のまぶしさ、目の奥の痛み、視界のかすみ・視力低下、吐き気、大量の目やにを伴う状態です13。角膜炎やぶどう膜炎、急性緑内障発作などの可能性があるため、様子を見ずに当日中に眼科を受診してください1。
Q. 目の充血を早く落ち着かせるにはどうすればよいですか?
A. 原因によって対処法が異なります1。目の疲れや乾きが原因なら、パソコンやスマートフォンの画面から離れて目を休めましょう。アレルギーやかゆみによる炎症なら清潔な冷たいタオルでまぶたの上から軽く冷やす方法もありますが、痛みやまぶしさがある場合は自己判断でケアを続けず眼科へご相談ください。
Q. テレビなどでいつも目が赤い人を見かけますが、なぜ長引くのですか?
A. 充血が長引く背景には、慢性的なドライアイやアレルギー性結膜炎のほか、加齢や紫外線の影響で白目の組織が変化する翼状片・結膜弛緩症などが考えられます。ふだん使っている目薬があれば、受診のときに伝えてください。赤みが続く場合は眼科で原因を確かめることが大切です3。
参考文献
1. Eggink CA, Bartels MC, Eizenga WH. [Acute red eye]. Nederlands tijdschrift voor geneeskunde. 2024. PMID: 38780203
2. 結膜下出血 – 徳島県医師会Webサイト. https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/614-354
3. Bradford CA, Melson AT. Ocular Complaints, Disease, and Emergencies in the General Medical Setting. The Medical clinics of North America. 2021. PMID: 33926638 / DOI: 10.1016/j.mcna.2021.02.002
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