
主に、加齢などが原因で白く濁った目の水晶体を取り出し、人工の眼内レンズに入れ替える手術「白内障手術」。
近年は手術の器具・機器が進化し、より、精確性を高めた白内障手術が可能になっています。
精確性が高まっている白内障手術ですが、どのような医療行為もそうであるように、100%、トラブルが起きない訳ではありません。
白内障手術において、できるだけ避けたいトラブルの一つとしては、「水晶体核落下(すいしょうたいかくらっか)」があります。
今回は、白内障手術におけるトラブル「水晶体核落下」のご説明です。
目次
■水晶体核落下とは?
◎白内障手術の手術中に、水晶体の核の破片が目の奥に落ちてしまうトラブル
水晶体核落下とは、白内障手術の手術中に、「水晶体の核(水晶体の中心の硬い部分)の破片が目の奥に落ちてしまう」トラブルです。
目の水晶体を包む袋(水晶体嚢:すいしょうたいのう)の後ろ側(後嚢:こうのう)が破れ、水晶体の核の破片が目の奥に落ちてしまうことを水晶体核落下と呼びます。
水晶体の核の落下のほか、白内障の手術中に後嚢が破れ、核を取り囲むやわらかい組織である水晶体の皮質部分が目の奥に落ちてしまう場合も(水晶体皮質落下)。
また、水晶体を支えている目の靭帯(チン小帯)がゆるんだり切れてしまい、水晶体を包む袋ごと水晶体がずれるor水晶体が目の奥に落ちてしまうこともあります(水晶体亜脱臼or水晶体脱臼)。
◎水晶体核落下が起きた場合は、できるだけ速やかに「硝子体手術」を行い、目の奥に落ちた水晶体の核の破片を取り出す必要があります
白内障手術の手術中に起こり得るトラブル、水晶体核落下。
水晶体核落下がやっかいな点は、目の奥(=目の硝子体(ゼリー状の組織)の中)に水晶体の核の破片が落ちると、以下のような合併症をひき起こすことが多い点です。
[白内障手術の手術中、水晶体核落下が起きた場合に見られる合併症の例]
-
ぶどう膜炎:
目の中のぶどう膜に起きる炎症
-
眼内炎:
手術時間の延長や、追加の手術処置に伴い、稀に細菌などが侵入して起きる重度の炎症
-
眼圧上昇:
目の眼圧が高まった状態 眼圧上昇は視神経へのダメージや視野の狭まりなどをひき起こす「緑内障」の原因の一つ
—–
上記のような重篤な合併症が起きやすいため、白内障手術の手術中に水晶体核落下(または、水晶体皮質落下、水晶体脱臼)が起きた場合は、できるだけ速やかに、別の手術が必要です。
緊急に「硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)」を行い、目の奥に落ちてしまった水晶体の核の破片(または、水晶体の皮質、水晶体丸ごと)を取り出さなければなりません。
■白内障手術の手術中に水晶体核落下が起きた場合、目の中に眼内レンズを固定する手術が必要になることが多いです
◎単焦点レンズのみになりますが、目の中に眼内レンズを固定することで、手術後の見え方を改善できます
白内障手術の手術中に水晶体核落下が起きた場合、破れてしまった水晶体の袋(水晶体嚢)は、再利用できないケースが少なくありません。
上記の理由により、白内障手術の手術中に水晶体核落下が起きた場合、目の中(チン小帯のそばにある毛様溝(もうようこう))に眼内レンズを縫いつける、または固定する手術が必要になることが多いです。
なお、目の中に眼内レンズを縫いつける際は、原則として、レンズの種類は単焦点レンズのみのケースが多いです。
ズレによる見え方の質の低下を防ぐためや、多焦点レンズの構造の関係上、目の中に多焦点レンズを固定することはあまりありません。
水晶体核落下(水晶体脱臼)が起きた場合は、目の中に単焦点レンズを縫いつける・固定することで、手術後の見え方を改善できる可能性があります。
適切な処置を行えば、最終的な視力は、通常の白内障手術を受けた場合とほとんど変わらない程度まで回復することが多いです。
【東京女子医科大学と連携し、より高度な技術に対応した治療をご提供します】
当院の白内障手術は、東京女子医科大学での豊富な経験と実績を持つ眼科専門医が執刀いたします。
{水晶体核落下に対応した「硝子体手術」を行えます}
当院では、水晶体核落下の際に必要になる「硝子体手術」に対応しています。
—–
白内障手術の手術前には精密検査を実施し、患者様ごとに異なる目の状態を詳細に確認。術後の見え方や心身への負担を考慮した上で、手術を行います。
治療に際しては初診から検査、手術、術後のアフターフォローまで、眼科医・スタッフが一丸となり患者様を全力でサポートいたします。
「白内障で見えにくく、生活や仕事に支障が出ている」
「白内障手術を受けたが、結局、眼鏡が手放せない生活を送っている」
「どの病院でどんな手術を受ければ良いのかわからない」
など、見え方や白内障手術のクリニック・病院選びでお困りの場合は、当院までご相談ください。
